ピアノへの憧れ
小さい頃、仲良しの女の子の家にグランドピアノがあった。
とっても羨ましくて、その子の家に行くたびに弾かせてもらっていた。
(ちなみにそこにはデラックスなエレクトーンもあった。)
後々彼女は音大に進み長年にわたりピアノの先生として活躍している為、投資した分はしっかり回収している。
いっぽうのわたし。
小さい女の子あるあるだが、親に「ねえねえ、お母さん、私もピアノ欲しい。」と何度もおねだりした。
もちろんそう簡単には買ってもらえるはずはなく、まずうちの親は私にオルガンを買い与えた。
そして、ピアノの先生をつけ、オルガンでレッスンを受けさせた。
飽きっぽいわたしは簡単な練習曲を弾いていても全然楽しくなかった。
で、ピンクのバイエルから黄色いバイエルに進む前にやめてしまった。(早っ!)
そんな人間にピアノを与えなかった親は賢明だったと思う。
だが、「ピアノを奏でる」という行為はいつまでもわたしを魅了し、耳コピで「エリーゼのために」など数曲の有名な曲を弾きこなすようになった。
そんなある日、学校の音楽室で一人ピアノを弾いていると音楽の先生が近寄ってきた。
先生:「うまいね、ピアノ。習ってるの?」
わたし:「やめちゃいましたー。」
先生:「やめちゃダメだね。うん。」
残念そうな顔をして先生は去っていった。
今でもわたしはピアノに憧れているが、MIDIキーボードとコントローラを使って自由に音を作るのも楽しいかなーと思っている。