ディスコで補導された思い出
わたしが育った街には、デパートとスーパーの中間ぐらいの規模の商業ビルがあった。
小学六年生の時、そこに突如ディスコができた。
ディスコと言っても、多分空いてた部屋にちょっとした音響装置とミラーボールを設置して、大きな音で当時流行っていたディスコミュージックを流していただけのもの。
誰でも入れたし、無料だった。わたしはそこで流れていた音楽に魅了された。ちょっとおしゃれなお兄さんやお姉さんが上手に踊っているのを見るのも好きだった。
照明は暗かったが、怪しい雰囲気は全然無かった。お酒などの飲み物も置いてなかったし、そこに来ていた人達はただ踊って、気が済んだら帰っていくという感じ。今思うとちょっと不思議な場所だった。
夏休みだったので、友達と一緒に毎日毎日通っていたが、ある時、見廻りの大人二人組に「あなた達何年生❓まだここに来ちゃダメだよ」と声をかけられた。学校に指導が入るのは困る。それで、そこに行くのをやめた。
でも、そこで流れていた音楽を私は聴き続けた。中でも好きだったのがビージーズ。レコード屋さんで45回転のシングルを買い、何度も聴いた。
あの夏休みが、これまでの人生でもっともワクワクした日々だったかもしれない。